新型コロナ感染防止及び従業員の雇用維持に関する情報

いまだ一向に収束の兆しが見えない新型コロナウィルス感染症。

このページでは、昨今のコロナ禍において、厳しい事業活動を余儀なくされながらも、感染防止及び従業員の雇用維持に尽力されている事業主様のお力になるべく、コロナ感染防止及び従業員の雇用維持に関する情報をお伝えいたします。

 

目次

  1. 新型コロナウィルス感染予防対策
  2. 感染者及び濃厚接触者への対応
  3. 労働者を休ませる場合の制度
  4. 感染防止のための柔軟な働き方

 

1.新型コロナウィルス感染予防対策を知る

感染源となるウイルスは、一般的には飛沫感染(感染者の飛沫と一緒にウイルスが放出され、他の方がそのウイルスを口や鼻などから吸い込んでの感染)や接触感染(感染者がくしゃみや咳を手で押さえた後、その手で周りの物に触れるとウイルスがつき、他の方がそれを触るとウイルスが手に付着、その手で口や鼻を触ることにより粘膜から感染)で感染症を発症します。たとえ咳やくしゃみなどの症状がなくても、閉鎖した空間での近距離の会話などでも感染を拡大させるリスクがあるとされています。

■感染しないために気を付けるべきこと

① 正しい手洗い(30秒程度かけて正しく手洗いをする)
② 毎日の健康管理(十分な睡眠とバランスの良い食事)
③ 部屋の換気(密閉空間は感染リスクが高まる)
④ 三密を避ける(密閉、密室、密接となる場所へ行かない、ソーシャルディスタンス)

周りの人にうつさないために気を付けるべきこと

① 咳エチケット(マスクを着用する。ない時はティッシュやハンカチ、袖などで口・鼻を覆う)
② 不急不要な外出及び人との接触を避ける(本当に必要な外出か。家庭内感染の防止)
③ 新たな食事マナー(食事の際、会話時はマスクを着用、マスクを外している食事の際は、会話をしない)

職場における取組

① 労働者が発熱等の風邪症状が見られる際に、休みやすい環境の整備
・年次有給休暇の取得しやすい環境づくり。
・特別休暇の付与。

② テレワークや時差通勤の積極的な活用の促進
・テレワーク可能な業務の検討。
・毎日は難しい場合、数日でもテレワークを検討。
・通勤ラッシュを避けた時差出勤。
・始業・終業時間を労働者にゆだねるフレックスタイムの導入。

③職場環境の再構築
・ゾーニング(清潔区域である執務エリアにウイルスを持ち込まない対策)
・飛沫対策(パーテーションやスクリーン設置)
・共有 PC から個人別 PC への切り替え。
・入口に消毒マットやエアシャワーなどを設置。

 

2.感染者及び濃厚接触者の対応

(1)新型コロナウイルス感染者

社員が新型コロナウイルに感染した場合、発症日から10日間経過し、かつ症状軽快後72時間経過した時点で、退院又は療養終了となります。また、症状軽快後24時間経過後、24時間以上間隔をあけ、2回のPCR検査で陰性を確認できれば退院可能となりますが、療養終了については、入院・宿泊療養の場合は療養施設からの指示に従ってください。感染者の方の職場復帰に際しては、退院後 1 週間程度の自宅待機または在宅勤務を行ってから出社することが望ましいともされています。

新型コロナウイルス感染症に感染した方の職場復帰にあたり、陰性証明書などを本人の意に反し求めることはパワハラに当たる可能性があります。新型コロナウイルス感染症に感染した方の就業制限の解除については、医療保健関係者による健康状態の確認を経て行われるものであるため、解除された後に職場等で勤務を開始するに当たり、職場等に証明を提出する必要はないとされています。

(2)濃厚接触者

感染者となった方の感染可能期間(発症日よりも2日前以降から療養終了日まで)に接触した方のうち、次の範囲に該当する方。

  • 感染者と同居、あるいは長時間の接触(車内・航空機など)があった人
  • 適切な感染防護なしに感染者を診察、看護もしくは介護した人
  • 感染者の気道分泌液もしくは体液等の汚染物質に直接触れた可能性が高い人
  • その他、手で触れることの出来る距離(目安として1メートル)で、必要な感染予防策(マスクなど)なしで15分以上接触があった人

感染症患者と接触があった日の翌日から14日間の行動の自粛と健康観察(不要不急の外出はできる限り控えて、通勤も控えてください)が必要になりますので、この期間は自宅待機または在宅勤務をご検討ください。

 

 

3.労働者を休ませる場合の制度を知る

(1)新型コロナウイルス感染者

社員が新型コロナウイルス感染症に感染したことで休業する場合には、その療養の期間は、業務災害以外によるものであれば、健康保険制度から「傷病手当金」が支給され、業務災害と認められた場合は、労災保険制度から休業補償給付」が支給されることになります。

【傷病手当金

病気やケガで会社を休んだときは傷病手当金が受けられます。傷病手当金は、病気休業中に被保険者とその家族の生活を保障するために設けられた制度で、被保険者が病気やケガのために会社を休み、事業主から十分な報酬が受けられない場合に支給されます。

被保険者が、業務災害以外の理由により新型コロナウイルスに感染し、その療養のため労務に服することができない場合、療養のために労務に服することができなくなった日から起算して3日を経過した日(4 日目)から支給されます。被保険者に自覚症状はないものの、検査の結果「陽性」と判定され、療養のために労務に服せない場合にも支給対象となります。なお、「労務に服することができなかった期間」には、発熱などの症状があるために自宅療養を行った期間も含まれます。また、やむを得ず医療機関を受診できず、医師の意見書がない場合においても、事業主の証明書により、保険者において労務不能と認められる場合があります。

〈支給される条件〉

傷病手当金は、次のaからdの条件をすべて満たしたときに支給されます。

  1. 業務外の事由による病気やケガの療養のための休業であること
    健康保険給付として受ける療養に限らず、自費で診療を受けた場合でも、仕事に就くことができないことについての証明があるときは支給対象となります。
    また、自宅療養の期間についても支給対象となります。
  2. 仕事に就くことができないこと
    仕事に就くことができない状態の判定は、療養担当者の意見等を基に、被保険者の仕事の内容を考慮して判断されます。
  3. 連続する3日間を含み4日以上仕事に就けなかったこと
    業務外の事由による病気やケガの療養のため仕事を休んだ日から連続して3日間(待期)の後、4日目以降の仕事に就けなかった日に対して支給されます。
    待期には、有給休暇、土日・祝日等の公休日も含まれるため、給与の支払いがあったかどうかは関係ありません。
  4. 休業した期間について給与の支払いがないこと
    業務外の事由による病気やケガで休業している期間について生活保障を行う制度のため、給与が支払われている間は、傷病手当金は支給されません。
    ただし、給与の支払いがあっても、傷病手当金の額よりも少ない場合は、その差額が支給されます。任意継続被保険者である期間中に発生した病気・ケガについては、傷病手当金は支給されません。

〈支給される傷病手当金の額〉

休業1日につき、被保険者の直近12ヶ月の標準報酬月額を平均した額の1/30に相当する額の2/3に相当する金額が支給されます。
支給開始日以前の加入期間が12ヵ月に満たない方の支給額は、次のいずれか低い額を使用して計算します。
①被保険者期間における標準報酬月額の平均額
②被保険者の属する保険者の標準報酬月額の平均額

【休業補償給付

労働者が、業務上または通勤が原因となった負傷や疾病による療養のため労働することができず、そのために賃金を受けていないとき、その第4日目から休業補償給付(業務災害の場合)、または休業給付(通勤災害の場合)が労災保険制度より支給されます。医療従事者等がワクチン接種の副反応により健康被害を生じた場合は、労災保険の適用となる場合があります。労働基準監督署において、個別の事案ごとに業務の実情を調査の上、業務との関連性(業務起因性)が認められる場合に対象とされますので、事業場を管轄する労働基準監督署へご確認ください。

〈支給される条件〉

傷病手当金は、次のaからcの条件をすべて満たしたときに支給されます。

  1. 業務上の事由または通勤が原因となった負傷や疾病による療養のため
  2. 療養のため労働することができない
  3. 賃金を受けていない

〈支給される休業補償給付の給付額〉

休業補償給付:給付基礎日額の60%×休業日数。
休業特別支給金:給付基礎日額の20%×休業日数

2.事業の休止により従業員を休ませる場合

新型コロナウイルス感染症に関連して、緊急事態宣言の発令などにより事業を休止せざるを得なくなり従業員を休業させる場合には、労働基準法第 26 条による休業手当を支給することとなります。

労働基準法第 26 条(休業手当)
使用者の責に帰すべき事由による休業の場合においては、使用者は、休業期間中の当該労働者に、その平均賃金の 100 分の 60 以上の手当を支給しなければならない

労働基準法では、休業手当は平均賃金の60%以上とされていますが、就業規則で支給率80%や100%と定められている会社もありますので、就業規則を確認しましょう。休業手当を支給した場合には、「雇用調整助成金」や「緊急雇用安定助成金」を受給できる場合があります。

 

4.柔軟な働き方について知る

新型コロナウイルスの感染拡大防止には、人との接触頻度を抑えることが非常に有効です。テレワーク(在宅勤務)や通勤ラッシュを避けるための時差出勤、フレックスタイム等の活用を検討してみる必要があります。

(1)テレワーク(在宅勤務)とは
テレワークとは、「ICT(情報通信技術)を活用し、時間や場所を有効に活用できる柔軟な働き方」です。インターネットなどのICTを利用することで、本来勤務する場所から離れ、自宅などで仕事をすることができます。さまざまな場所での柔軟な働き方は、「従業員の育児や介護による離職を防ぐことができる」「遠隔地の優秀な人材を雇用することができる」「災害時に事業が継続できる」など、多くのメリットをもたらします。テレワークは、育児・介護等を行う一部の従業員のみに対する福利厚生策ではなく、会社全体の働き方を改革するための施策の1つとして期待されています。テレワークは、「在宅勤務」「モバイルワーク」「サテライトオフィス勤務(施設利用型勤務)」の3つのテレワークの形態の総称です。いずれの場合も、テレワークは、所属するオフィスから離れて仕事を行うため、始業・終業時刻など労働時間の管理方法などについて、適正なルールづくりをすることが重要です。

■在宅勤務

所属するオフィスに出勤しないで自宅を就業場所とする勤務形態です。オフィスに出勤したり、顧客訪問や会議参加などによって外出したりすることがなく、1日の業務をすべて自宅の執務環境の中で行います。通勤負担が軽減され、時間を有効に活用することができます。従業員のワーク・ライフ・バランスを実現する上で効果的です。育児・介護期の従業員がキャリアの継続を図ることができます。また、障がいなどにより通勤が困難な従業員の就労継続にも効果的です。静かな環境を整えやすいため、集中して業務を行うことができます。

■モバイルワーク

移動中(交通機関の車内など)や顧客先、カフェなどを就業場所とする働き方です。営業など頻繁に外出する業務の場合、様々な場所で効率的に業務を行うことにより、生産性向上の効果があります。テレワークでできる業務が広がれば、わざわざオフィスに戻って仕事をする必要がなくなるので、無駄な移動を削減することができます。また、身体的負担が軽減でき、ワーク・ライフ・バランス向上に効果があります。営業職など、所属オフィス外での業務が多い職種にとって特に有用です。移動時間を有効活用できる、顧客先で迅速に対応できるなどのメリットがあります。

■サテライトオフィス

所属するオフィス以外の他のオフィスや遠隔勤務用の施設を就業場所とする働き方です。例えば、所属するオフィス以外の他のオフィスが従業員の自宅の近くにある場合、そのオフィス内にテレワーク専用の作業スペースを設けることで、職住近接の環境を確保することができ、通勤時間も削減することができます。また、遊休施設や空き家などを活用して行う遠隔勤務には、組織の活性化や地方創生など、多様な期待が寄せられています。顧客先に近い施設を利用することで、迅速な顧客対応、帰社などのための移動時間の削減により、業務を効率化できます。従業員の自宅に近い施設を利用することで、所属するオフィスまで通勤することが困難な人材を活用できます。遊休施設や空き家などを活用することで、オフィスコストを抑えることができます。

(2)時差出勤
時差出勤は、 通勤ラッシュを避けるために有効な手段といえます。
東京都では、通勤時間をずらすことによって満員電車の混雑緩和を促進する「時差Biz」を推奨しています。
フレックスタイムと異なり、勤務時間をスライドさせる制度ですので、所定労働時間は変わりません。いくつかのシフト時間を用意し選択できるような制度にすることが多いです。

(3)フレックスタイム制
フレックスタイム制は、一定の期間についてあらかじめ定めた総労働時間の範囲内で、労働者が⽇々の始業・終業時刻、労働時間を⾃ら決めることのできる制度です。労働者は仕事と⽣活の調和を図りながら効率的に働くことができます。フレックスタイム制のもとでは、あらかじめ働く時間の総量(総労働時間)を決めた上で、⽇々の出退勤時刻や働く⻑さを労働者が⾃由に決定することができます。
労働者にとっては、⽇々の都合に合わせて、時間という限られた資源をプライベートと仕事に自由に配分することができるため、プライベートと仕事とのバランスがとりやすくなります。

 

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