厚生労働省では、全国の学生等を対象として、4月から7月までの間、自らの労働条件の確認を促すことなどを目的としたキャンペーンを実施しています。この時期、新たにアルバイトを始める学生等は多く、いわゆる「ブラックバイト」等に悩まされないよう、周知・啓蒙するものです。
具体的には、
(1)都道府県による大学等での出張相談、
(2)学生たちにとって必要な知識を得るためのリーフレットの配布、
(3)総合労働相談コーナーへの「若者相談コーナー」の設置などが行われています。
リーフレットはクイズ形式で、
「遅刻時には罰金を支払うルールがある」
「タイムカードに記録されている労働時間が切り捨てられた」
「研修中の時給が最低賃金を下回っている」
「辞めたいが、代わりの人を用意しないと辞めさせないと言われた」
「採用後、急に一方的なシフト変更があった」などの問いに、いずれも労働法違反との答えを示しています。
◆この機会に事業主も確認を
重点的に呼びかけられているのは、以下の事項です。
① 労働条件の明示がされているか
② 学業とアルバイトが両立できるよう、適切な勤務シフトの設定がされているか
③ 労働時間が適正に把握されているか
④ 商品の強制的な購入の抑止と、その代金の賃金からの控除の禁止が守られているか
⑤ 労働契約の不履行に対してあらかじめ罰金額を定めることや、労働基準法に違反する減給制裁の禁止が守られているか
多くの事業主にとっては、どれも基本的な事項でしょう。しかし、これらが守られず、苦しい思いをしている学生アルバイト等からの訴えがあるのも事実です。違法となる行為が見逃されていないか、この機会にいま一度、確認をしておきましょう。