令和元年度の厚生労働省の調査では、女性の育児休業取得率83%に対し男性は7.48%と大きな差があります。
こうした差が、女性が出産・育児を理由に退職したりする原因になったり、母親に家事・育児の負担が偏る、いわゆる「ワンオペ育児」を発生させたりしているといわれます。
一方、ゼネラルリサーチ株式会社が2019年3月に20~40代男女を対象に実施したアンケート調査では、男性の育休取得について57.4%が「許されるなら取得したい」と回答しています。
さらに、コロナ禍により共働きの夫婦がともに自宅でテレワークを行う機会が増えたこともあり、以前にもまして育児に参加したいと考える男性が増えています。
改正育児・介護休業法では男性育休制度も創設
今国会で成立した改正育児・介護休業法では、男性の育児休業取得促進のため、子の出生直後の時期における柔軟な育児休業の枠組みが創設されました。
新制度は、子の出生後8週間以内に4週間まで取得することができる柔軟な育児休業の枠組みとされており、2回までの分割取得が可能で、労使協定を締結し労働者と事業主が個別に同意している場合には休業中の就業も一定程度可能となっています。
この改正法は、令和4年4月1日から段階的に施行とされており、詳細は今後省令等において明らかにされることと思います。
企業において改正対応を検討するタイミングはまだ少し先となりますが、昨今の変化を踏まえると、今から育児休業を取得しやすい環境を整備しておくことは、若手人材の募集や定着を促す意味でも、効果が期待できそうです。