毎年10月は「年次有給休暇取得促進期間」です。
年次有給休暇は、労働者の心身のリフレッシュを図ることを目的として、所定休日及び法定休日とは別に休みをとれる制度です。しかし、休むことに引け目を感じたり、上司や同僚へ気兼ねして、請求をためらう等の理由から、取得率の低さが課題となっています。
【労基法第39条】 使用者は、その雇入れの日から起算して六箇月間継続勤務し全労働日の八割以上出勤した労働者に対して、継続し、又は分割した十労働日の有給休暇を与えなければならない。 |
年5日の年次有給休暇を労働者に取得させることが使用者の義務。
- この対象は年休が10日以上付与される労働者です。
- 使用者は、労働者ごとに、年次有給休暇を付与した日(基準日)から1年以内に5日について、取得時季を指定して年次有給休暇を取得させなければなりません。
- 使用者は、時季指定に当たっては、労働者の意見を聴取しなければなりません。また、できる限り労働者の希望に沿った取得時季になるよう、聴取した意見を尊重するよう努めなければなりません。
- 既に5日以上の年次有給休暇を請求・取得している労働者に対しては、使用者による時季指定をする必要はなく、また、することもできません。
年次有給休暇管理簿の作成保管が義務。
- 使用者は、労働者ごとに年次有給休暇管理簿を作成し3年間保存しなければなりません。
使用者は、この年次有給休暇管理簿を通じて年次有給休暇の取得状況を労働者及びその上司に周知し、取得が進んでいない労働者に対して、上司が業務負担の軽減を図るなど労務管理上の工夫を行うことにより、より多くの年次有給休暇の取得促進に結び付けていくことが必要です。
令和元年の年次有給休暇の取得率は56.3%と前年より3.9ポイント上昇し、過去最高になったものの、依然として、政府目標である70%とは大きな乖離があるようです。