2023年「少子化対策」に関するアンケート調査
東京商工リサーチは、全国の企業を対象に「少子化対策」に関するアンケート調査を実施し、公表ました。
現在、少子化対策として、3歳までの子どもを持つ従業員の在宅勤務やフレックスタイム制の適用、就学前までの残業免除権の拡大などが検討されていますが、これらを導入した場合、業務に支障が出そうなものは次のどれですか?の質問に対し、「3つの選択肢のうち1つ以上支障が出る」との回答が、全企業の49.9%でした。
東京商工リサーチ
従業員が少ないほど業務に「支障あり」が低い
従業員数別では、「支障あり」が最も高かったのは「300人以上」の59.7%。一方、「5人未満」は25.7%で、「300人以上」とは34.0ポイントの開きがありました。
従業員数が少ないほど「支障あり」と回答した企業が低い傾向にあり、中小・零細企業は、従業員の高齢化や採用難などで少子化対策の両立支援策が必要な年代が少ないことも要因と思われます。支援策が広がると従業員が育児に取り組みやすくなる一方、中小・零細企業では出産・育児を行う世代の雇用をさらに抑制することが危惧されますね。
「支障あり」が5割以上は、製造業など3産業
産業別では、「支障あり」が最も高かったのは「製造業」の55.3%で、次いで「建設業」52.8%、「小売業」52.4%の順で、3産業が過半数を超えました。工場や工事現場、店舗での業務は在宅での対応は難しいため、仕事と育児の両立支援策では細やかな現場の実情把握も必要ですね。